留守番が上手になるには

子犬1

犬は本来、群れで暮らしてきた動物なので、仲間と離れて留守番をするという習慣はありません。
仲間と離れると、外敵に襲われる危険や狩りをする不安などが大きくなり、生命の危機につながるからです。
だからといって、犬たちが24時間、365日を飼い主と一緒に生活することは不可能です。
そこで留守中のストレスを少しでも軽減させるようにトレーニングすることが必要になってきます。留守番は特別なことではなく、日常的なことだと犬に思わせ、留守番(=一人でいること)に慣らしていくことが大切です。

●外出するときに犬をかまわない●
 外出直前に犬をかまってしまうと、その後、だれもいなくなってしまったときに、一人ぼっちでいるストレスを増大させてしまうことになってしまいます。

●帰宅時も、犬に関心を示さない●
 さびしい思いをさせたという気持ちと、犬が熱烈に歓迎してくれるのとで、つい声をかけたり、かまったりしがちですが、逆に犬が落ち着き、平常心をとりもどすまでは犬を無視してください。犬の感情にそのまま応えてしまうと、再会の印象ばかりが残り、留守中落ち着くことができなくなってしまいます。

●少しずつ留守番にならす●
 外出するとき以外にも、外出のサインになるようなこと(例えば、車の鍵をジャラジャラさせる、コートを着る、化粧をするなど)をして、出かけるそぶりを見せたり、出かけても短時間で帰宅するということを繰り返したりして、外出にならしていきます。このときも前述のとおり、外出・帰宅時には犬にかまわないでください。

●さびしく感じさせない工夫を●
 犬の気が紛れるようなおもちゃ(安全なもの)を留守の間にだけ与えたり、飼い主が一緒にいて、犬がリラックスしているときに決まった音楽をかけ、外出するときにそれを流したままにしたりするなど、犬がさびしく感じない方法を工夫しましょう。
分離不安症と思わせる症状(不適切な場所での排泄)がみられていますので、以下の方法も併せて実行してみてください。

●留守中に問題行動があっても叱らない●
 決められた場所以外で排泄するのは、嫌がらせではありません。不安を感じ、ストレスから起こる行動なのです。それに時間がたってから叱られても、犬には何が悪いのか理解できません。

●日ごろから意図的にかまわない時間をつくる●
 一緒にいるときも意図的にかまわない時間を設け、留守中と同様の状況を日常的につくり、一人でいることに慣れさせます。

●専門家に相談してみる●
改善がみられなかったり、急を要したりする場合には、行動学のカウンセラーや獣医師などの行動治療の専門家の診察、カウンセリングなどを受け、症状に合ったプログラムを実行しましょう。薬物療法などを併用することで、犬はもちろん、飼い主のストレスも軽減され、問題解決がスムーズになるでしょう。